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【社長が語る】暮らしと地域とJ:COMの未来

J:COMは2023年12月に「サステナビリティ経営方針」を策定し、その実践において当社が取り組むべき重要課題とそれに対するコミットメントとして「マテリアリティ」を刷新しました。
当社の「サステナビリティ経営」とはどんなもので、具体的にどう進めていくのか。J:COM公式note 開設1周年の節目に、岩木陽一社長へインタビューしました。


岩木 陽一(いわき よういち)
JCOM株式会社 代表取締役社長
2021年当社副社長を経て2022年4月より現職。 愛猫家。
当社放送中のパラリンピックを毎日見ています。


暮らしや社会の変化・進化に貢献する企業へ

——当社は、2024年6月に経営方針説明会を実施し、足元の状況や今後について発表を行いました。改めて概要を教えていただけますか
先日の経営方針説明会は、現在の経営方針、2023年度の振り返り、サステナビリティ経営、中期経営計画の4つのアジェンダで発表しました。
中でもポイントになったのは「中期経営計画」、そして「サステナビリティ経営」についてです。

まず、一つ目の中期経営計画について。
私たちは、定量計画として2027年度の売上高1兆円超、年平均5%の持続的営業利益成長を掲げました。ケーブルテレビというとTVやインターネットのイメージが強い方も多いかと思いますが、こういった既存の事業だけでなく、地域の企業や自治体向けのソリューション提案や、放送・通信の枠を超えた新しい事業も育てていきながら、事業を拡大・成長させていきます。

これらの計画は2030年に私たちがこう在りたいという姿をベースにしています。
日々の生活がさらに便利で快適になることのサポートをし、安心安全な暮らしやエンタテインメントを通じて喜びと感動をお届けすること。それぞれの地域がより一層活性化し、そこに暮らす人々の人生が充実したものになっていくこと。
これらを実現するパートナーとして、地域の方々とともに歩んでいけるよう、計画を推進していきます。

中期経営計画についてはこちらのnote記事で解説しています

そして、もう一つが「サステナビリティ経営」について。
先日の説明会の中では、環境・社会の持続可能性と事業の持続的成長を両立するために、私たちが意識すべき経営の方針を踏まえながら、いくつかの取り組み事例をご紹介しました。

中期経営計画が3年間という比較的短期での具体的な事業目標・計画であるのに対し、「サステナビリティ経営方針」はより上位の概念として、中長期に亘って意識すべき経営の方針です。影響範囲もより広く、分野も多岐に渡るので、なかなか全てをお話できないのですが、今日はこの場で少し詳しく説明できればと思います。


サステナビリティは事業活動を通じて

—— 「サステナビリティ経営」とはどういったものでしょうか
色々な定義があると思いますが、私たちが考えるサステナビリティ経営は企業の「事業活動を通じて」社会に良い影響を与える、ということです。
事業とかけ離れたところで社会貢献活動をするのではなく、事業を進める中で社会にとっても会社にとってもプラスになる取り組みを推進すること。これが企業の存在価値であり、それを実現できる企業が長期的に成長できるのだと思います。
 
また、サステナビリティという言葉を聞くと環境や社会課題の解決やカーボンニュートラルなど壮大で長期的なテーマをイメージされる方も多いですが、もっと身近で日常的なものも含めて社会にいい影響を与える、といった広い概念で捉えてよいのではないでしょうか。

—— 「社会にいい影響を与えること」の中で、J:COMが力を入れて取り組むのはどんな領域ですか
持続的な環境や社会の実現のために、私たちが重要だと考えている領域として「暮らし」「地域社会」「地球環境」「人」があります。サステナビリティ経営方針の実践において、4つの領域で取り組むべき重要課題をマテリアリティとして設定しています。

J:COMは2018年からSDGsと企業理念を基に、重要課題とそれに対する「4つの約束」を定めていましたが、社会に対する影響度と事業成長を目指すための優先度の観点で見直しを行い、2023年より内容を刷新しました。

例えば「地域社会」であれば安心安全な街づくりを目指して、日頃から防犯・防災に向けた番組づくりを行ったり、地域の足となれるよう、ライドシェアの実証実験を行ったり。
デジタル化する社会において誰一人取り残さないために、地域でネットやスマホに関する教室を開催したり。
 
こういった取り組みを通じて、よりよい社会の実現を目指していきます。
noteでもこれまでの取り組みを取り上げていますね。


選ばれつづけるのは、サステナブルな事業

—— サステナビリティ経営を推進する中でどんなことを意識していますか
繰り返しになりますが、サステナビリティ経営は事業活動と密接に関係し合い、互いに不可欠なものであると考えています。
サステナビリティ経営は事業を通して実現するものですし、サステナビリティを前提にした事業活動が、社会やお客さまから長く支持されています。これらを念頭に置きながら、私たちは事業を推進していかなければなりません。

また、足元の事業成長も長期的なサステナビリティ経営の実現も同時に考えていく必要があります。
人間には、行動経済学上の「遅延割引」と言われるバイアスがあり、将来得られる価値・報酬を現在得られるものよりも軽く考えてしまいがちと言われています。

私たちは明日の天気のことはすごく気にしますが、それよりも深刻な問題である20年後の気候変動に関しては、なかなかジブンゴト化できず先延ばしにしてしまいますよね。
 
しかしサステナビリティ経営は、一朝一夕に実現するものではなく、過去・現在から続く長期的な取り組みによってもたらされるものです。
今日のサステナビリティ活動が事業の成長と同等の重要性を持っていることを、私たち一人ひとりが改めて認識し、主体的に・継続的に取り組んでいく必要があると思います。

また、サステナビリティ経営を推進する上で「人」が非常に重要であると考え、その育成にも力を入れています。自律的なキャリア形成を目指して、研修制度を刷新すると同時にすべての人が働きやすい職場を目指して制度や環境を整備しています。

例えば男性育休については、全国の取得率が30.1%であるのに対して当社は63.3%※と比較的高い水準となっています。男女問わず、育児休暇を取ることに対して本人も職場のメンバーも特別なことではなく「あたりまえ」という認識にシフトしつつあります。(※2023年度実績)

「人」を大切にするために、枠組みだけ整えても機能しませんが、従業員のマインドにもその理念が浸透しているなと感じています。
仕事とプライベートのバランスをとり、それぞれの形でリフレッシュする文化が醸成されていて、社内外の懇親も活発です。
先日も社内フットサルイベントがあり、私も参加してきました。全国から集まった2,000人以上の参加者の熱気に圧倒されつつ、切磋琢磨し本気で楽しむ土壌があるという点が強みの一つになっていると感じました。

左手前が岩木社長/社内交流の福利厚生フットサルイベント「J:COMカップ2024」にて


社会とお客さまへ向けた、宣言

—— 最後に読者のみなさまにメッセージをお願いします
サステナビリティがはじめて提唱されてから30余年が経ち、この言葉は一般化し、世の中に溢れるようになりました。このタイミングで改めてサステナビリティを語るのは今さら感もあるかもしれないですね。
では、なぜ私たちがここで敢えてサステナビリティ方針を策定し、マテリアリティを掲げたかといえば、これまで続けてきた事業活動の礎となる方針を捉えなおすことで、より主体的にサステナビリティに向き合い、それと同時に私たち自身がよりよい未来に向かって変わることができると考えたからです。
 
もっと、心に響かせよう。
もっと、暮らしを支えよう。
明日を、未来を、拓いていこう。
 
これは私たちの企業理念です。
10年、20年、さらにその先を見据えて、事業を続けていきます。目指す姿に向けて取り組みを続ける私たちを見届けていただけたらと思います。
 
今回私たちが掲げたマテリアリティは社会やお客さまへ向けた約束であり、宣言でもあります。表面的な「きれいごと」で終わらせることなく、もっと当たり前で地道な取り組みとして、私たち一人ひとりが体現していきます。
 
また、今の目標やマテリアリティも時代や社会構造の変化に合わせてチューニングを続けながら、変わっていくものです。次の世代にこの社会や環境をよりよい形で引き継げるよう、今を生きる企業として、地域とともにある存在として、その責任を果たしていきます。


♪本日のBGM♪ 
What A Wonderful World - Louis Armstrong
このBGMを聞きながら読むといいかも♪
という音楽を勝手におすすめしています。

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