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【男性育休】あたりまえの空気感に応援された #育休を考える日

(9月19日は「育休を考える日」。ということで、男性育休に関する記事をお届けします。)

2022年10月に育児・介護休業法改正でできた「産後パパ育休制度」。
J:COMは、男性の育児休業取得を推進しており、2023年度の男性育休の取得率は63.3%と、全国の育児休業取得率30.1%※ より高い水準となりました。

今回は、7カ月間の育児休業(以下、「育休」とする)を取得した森本さんに、実際に取得してみてどうだったのか、ご家庭での様子や育休取得までのプロセスなどのお話を聞きました。
※厚生労働省「令和5年度雇用均等基本調査」より


森本 洋平
株式会社ジェイコムウエスト 営業統括部
2008年入社。関西エリアのプロモーション推進業務を担当。
最近ハマっていることは自宅の庭で野菜を育てること。


妻だけに育児の負担を負わせたくない


――はじめに、育休を取得しようと思った理由を教えてください。

理由は大きく2つあります。
一つは新たに家族に加わる自分の子供の成長を、近くでしっかりと感じたかったから。二つ目は、妻だけに育児の負担や責任を感じてほしくないと考えたからです。

私は趣味が読書で、中でも男性の育児を題材とした堀江敏幸先生の「なずな」という小説を何度も読み直すほど好きです。この本では、赤ん坊を育てる中にある瑞々しくてあたたかな一瞬がとても丁寧に描かれており、漠然とではありますが、独身時代から育児に興味をもっていました。

もちろん小説なのでフィクションであり、現実の子育てはもっと大変で慌ただしいものなんだろうなと思いつつ、自分の時が来たら育休を取得し、夫婦で負担を分け合い、育児の中にある一瞬を一緒に共有したいと思っていました。


――育休中に苦労したことはありましたか?

産後のケアが特に大変でしたね。
妻は出産で体に大きな負担があったのはもちろんのこと、精神面でも不安定になっていたと思います。当たり前ですが、育児は初めてだったので、赤ちゃんの一挙手一投足が気になり、不安になっていました。
 
今は夫婦の中で笑い話となっているのですが、部屋の温度が気になって仕方がなくエアコンのリモコンをいつも手元に置き、数分に一回は設定温度や風量を変えていました。今ならもう少し肩から力を抜いてもよかったのかなと思えることでも心配し、悩んでいましたね。
 
しっかり身体を回復しないといけないのに、なかなか精神的に落ち着けない状況の中で、どうやって妻を支え少しでも不安を解消できるかを考えました。

――なにか解決策はありましたか?

産後ケアサービスには、とてもお世話になりました。
妻の出産から1か月後には2泊3日で産後ケアに行き、助産師さんなどの専門家からのアドバイスを聞きました。
 
その後も1~2か月に1度くらいのペースで利用し、妻の身体的な負担の軽減をはじめ、特に育児のアドバイスをいただけたのがよかったです。
 
本やネットでも育児に関する情報は学んでいましたが、実際にたくさんの赤ちゃんのケアをしてきた専門家からのアドバイスは安心できるものがあり、「元気で健やかに育ってるね」という何気ない一言のおかげで私たち夫婦も精神的に安定できたように感じます。


――もっとも大変だったことを教えてください。

そんなこと?と思われるかもしれませんが、3食のご飯を作るのが一番大変でした。
 
掃除、洗濯など基本的な家事は私が担当しており特段苦労もなかったのですが、食事は産後の体によいものを!と意気込みすぎて、本やインターネット等で調べ、毎日3~4時間は買い物から料理とその片付けをしていました。こだわりすぎて、かつおぶしをカチカチ塊の状態から削って出汁をとる、なんてこともしていました。ちなみに今は出汁パックを愛用してます。
 
栄養はもちろん、何を食べたら喜ぶかまでを考えて3食つくるのがこんなに大変だとは思わず、世の中のママ、パパは本当にすごいな…と。


上司・メンバーから背中を押してもらえた


――育休を取得するにあたり、どのように社内で相談をしましたか?

当時の組織長をはじめ、たくさんのメンバーが快く受け入れてくれました。
妻が妊娠した段階で育休を取得したいと考えていたので、1on1面談等で早めから相談していたこともあり、半年以上の取得についても快諾してもらえましたし、「仕事のことは気にしなくていいよ」と温かい言葉ももらえました。
 
当時は、所属していた組織で、男性が半年以上取得するケースは珍しかったこともあり、これから育休取得を検討していた方からは、前例を作ってくれてありがとうと感謝されることもありました。
 
男性育休が浸透してきていても、いざ自分が取得するとなると気が引けてしまうという意見も耳にします。私の場合は周囲のメンバーからも背中を押してもらえて、心強く感じましたし、ありがたかったです。


――育休中の業務は、どうされていましたか?

私のポジションは他メンバーがおらず、一人体制だったので長期間不在となると業務に支障がでると心配していたのですが、組織長に相談した際、「半年以上となると補充を考えようか」と言っていただき、周りの方の負担が増えることに対する心配が減り、とても安心できました。
 
育休を決める頃に提案を始めたプロジェクトもあり、進行途中で不在になるなら実行しない方がいいのではと迷うこともありましたが、「いい企画だから拠点みんなで進めよう」と後押しをいただき、スタートすることができました。もちろん最後まで携われず残念な気持ちはありましたが、組織長や周りのメンバーのサポートのおかげで、安心して業務から離れることができました。


それぞれの環境や希望に合わせて


――育休の制度で改善してほしいことはありますか?

ひと昔前と違いとても取りやすい環境になったと感じています。
要望があるとすると、取得ハードルをさらに下げるような施策があればなおいいなと思います。
今も育休取得者の体験談や制度について様々な形で社内共有されていて、身近になってきたと思いますが、さらに面白い支援が生まれると、取得も進むでしょうし育休取得を考えるきっかけにもなると思います。
他社でも男性育休取得推進に向けた多様な施策が展開されていると聞きます。
人事のみなさん、ぜひ検討をよろしくお願いします(笑)。


――最後に世の中で育休取得を検討しているパパ・ママにメッセージをお願いします。

みんな育休は必ず取るべき、ということはないと思っています。
それぞれが大切にしたいことは違うと思いますし、「今は仕事を頑張りたい」など、それぞれの状況や環境があります。
ただ、女性はどんなに仕事が好きでも必ず出産のために休む必要があり、また出産後の体はとてもダメージを負っており、まわりの手助けが必要だと思います。
そのことをしっかりと理解して、パートナーの希望を聞き、十分に夫婦で話し合った上で選択することがいいのかなと思います。
私自身、育休の時間を振り返ると、大変なこともたくさんありました。ただ我が子と過ごす、あのなんとも言えないあたたかな時間を夫婦で共有することができたことはとても嬉しく、私たち家族には必要な時間だったと感じています。



奥様から森本さんへメッセージをいただきました。


♪本日のBGM♪ 
オンブラ・マイ・フ~Ombra mai fu – 手嶌 葵
このBGMを聞きながら読むといいかも♪という音楽を勝手におすすめしています。