【パリ2024パラリンピック】パラスポーツの魅力を発信したい。
8月29日(木)(日本時間)からいよいよ始まる「パリ2024パラリンピック」。
J:COMの地域密着型メディア「J:テレ」では、開幕から毎日特別番組を編成し、日本人選手が出場する各競技のハイライトや注目競技の模様を実況・解説付きで放送します。
J:COMは、パラリンピックをはじめ、卓球や柔道など国内で行われる多種多様なパラスポーツの大会を放送してきました。パラアスリート応援番組『パラスポチアーズ~パラアスリート全力応援~』では、パラリンピックを目指し練習に励む選手たちの熱い思いと、パラスポーツ競技の魅力を発信しています。
なぜパラスポーツの放送に力をいれるのか。
パラリンピックの放送担当者にその想いを聞きました。
J:COMがパラスポーツ、パラリンピックを放送する理由
——はじめに、J:COMがパラリンピックの放送をスタートしたきっかけを教えてください。
私たちは長年、地域のスポーツにフォーカスした番組制作や競技大会などの放送に取り組んできました。
オリンピックの放送をスタートしたのが2016年のリオ大会からです。パラリンピックは、東京2020パラリンピックの競技中継に日本のケーブルテレビとして初めて取り組み、冬季開催の北京2022パラリンピックに続いて今回は3回目の放送となります
地域情報を発信するコミュニティチャンネルと国際大会はかけ離れていると思われますが、地域でスポーツを続けるアスリートの最高峰の大会がオリンピックやパラリンピックです。アスリートたちが最も輝く姿をパラスポーツの象徴であるこの大会で伝えたい、という想いで取り組んでいます。
——これまでJ:COMとパラスポーツとはどのような関わりがあったのでしょうか?
各地域で開催されるパラスポーツ大会の様子をJ:COMは放送してきました。
特に、東京エリアでは東京都障害者スポーツ協会と連携し、「東京パラスポーツチャンネル」での生中継を2019年から開始し、YouTubeでの同時配信にも取り組んできました。
2024年度は知的障がい者卓球の日本一を決めるパラIDジャパン・チャンピオンシップ卓球大会2024や、肢体不自由や視覚障害、聴覚障害、知的障害などさまざまな障がいのある選手たちが“形や組手”の技を競う第20回全日本パラ空手道競技大会などを放送しています。これまで放送した競技は30以上にのぼります。
アスリート一人ひとりの素顔に迫る
——今年4月からは新番組『パラスポチアーズ』の放送が始まっていますね。こちらはどのような番組でしょうか?
タレントの中山秀征さんがMCを務めるパラスポーツ応援番組です。中山さん自らが練習場を訪れ、アスリートたちにインタビューし、また、パラスポーツ競技を実際に体験しながら、日本のトップアスリートとして競技に向き合う選手のプライドを理解し、全力応援します。
これまでもパラスポーツ大会の放送やルール、その魅力を放送してきましたが、こちらの番組では選手個人の想いをより深く掘り下げています。
今年はパリ2024パラリンピック、来年には耳が聞こえないアスリートのためのオリンピックである東京2025デフリンピックの開催が予定されています。オリンピックと比べてまだまだ認知度が低い中で、競技の普及・発展のためにはパラスポーツの魅力を継続して発信していくことが大切だと考え、レギュラー番組にしたいと思いました。
出場選手の中には、テレビでパラ選手の活躍を見て衝撃を受け、目指す道を見つけた方もいらっしゃいます。パラリンピックの放送に加えて『パラスポチアーズ』のような番組を続けることで、未来のアスリートたちの育成・応援のきっかけにもなれたらと考えています。
——取材の中で特に印象に残っているアスリートは?
ブラインドサッカー日本代表キャプテンの川村怜選手です。パラアスリートというより、「一人のアスリートとしていかに世界一を目指すか」と熱い思いを語ってくれました。取材してあらためて思うことは、選手本人はいちアスリートとして、大げさではなく命を懸けて闘っています。競技に懸けるプライドや情熱は、私たちの意識を変えるものでした。
前回大会は開催国枠として出場したブラインドサッカー日本代表ですが、今回初めて自力での本大会出場を決めました。狭き門を潜り抜け、わずか世界の8カ国の出場権を勝ち取ったのです。本大会では熱いゲームを繰り広げてくれると思います。
取材に行くと本当にいろいろな学びがあります。障がいを負った背景は一人一人違いますが、皆さん大なり小なり絶望を味わっています。ですが、それを笑顔で話してくれるんです、パラスポーツに出会って人生が180度変わったと。そこから競技にのめり込み、ひたむきに練習を重ねて、今回、日本代表としてパリの舞台に立つわけです。本当に人間って強いなと感じます。
番組の限られた時間内で、すべてを伝えるのは難しいですが、競技に向かう姿からでも、皆さんの心に響くものがあるのではないかと思います。
選手の言葉は重いですね。
「人は強い」
彼らの姿を取材するたびにそう感じます。
地域スポーツとしてのパラスポーツ
——今回のパラリンピック放送、パラスポーツ番組につながるビジョンを教えてください
J:COMが掲げるマテリアリティのより具体的な課題として、「地域社会の共創」と「DE&Iの推進と人材の育成」があります。地域で活躍するパラスポーツ選手の活躍と競技の面白さを、番組を通して継続的に発信することで、パラスポーツの発展と地域の活性化に貢献したいと考え、番組制作に取り組んでいます。
パラリンピックが終われば、アスリートの皆さんは、それぞれの地域に戻り、そこでまたさまざまなスポーツ活動を行っています。
パラスポーツは、障がいを抱えた方々だけのスポーツではなく、誰もが生涯を通じて楽しめるものであるという視点を大切に伝えていきたいと思います。
例えば「ボッチャ」は椅子に座ったままでもプレーが可能です。そのため足腰の不自由なシニアの方でも楽しめるスポーツとして介護施設のレクレーションに取り入れられていますが、もちろん、健常者も混ざって楽しもことができます。より身近なスポーツとして感じていただけるよう、私たちができることをこれからも続けていきます。
——放送実現に向けて苦労したことは何でしょうか?
私たちが普段放送しているコミュニティチャンネルは地域情報の発信が主で、世界的イベントやスポーツ放送は専門ではありません。放送に至るまでは試行錯誤する部分も多くありましたが、私たちのグループにはスポーツテレビ局「J SPORTS」があります。
国際大会の放送実績も豊富な彼らの協力を得てパリ2024パラリンピック放送は実現しました。J:COMグループだからこそできたことだと思います。
——放送において工夫したこと、チャレンジしたことはありますか?
視聴者の皆さんにいかに興味を持っていただけるか、を目標として番組を制作しています。北京パラリンピックの日本人選手が出ない競技では、競技自体を楽しんでいただく構成で生中継に取り組んできました。
今回、22競技中21競技、約175人の日本人選手が出場します。なるべくたくさんの日本人選手を紹介できるような番組を目指しています。また、競技と共に選手の生い立ちやアスリートとしての強さ、選手視点から見た競技の魅力など、パーソナルな魅力をどれだけ引き出せるのかにこだわっています。ぜひ注目していただきたいと思います。
将来は「パラリンピックを観るならJ:COM」に
——2024年のパラリンピック放送、初めて見るよという視聴者に「ここから見たらいい」というポイントがあれば教えてください。
いつ見始めても楽しんでいただけますが、大会中、毎日放送する2時間の特別番組は入口にぴったりかもしれません。番組前半に日本人選手が出場した競技のハイライトを、後半は注目競技を中心に、わかりやすい解説と共に選手の活躍や魅力をわかりやすくお伝えします。
たとえば、ブラインドサッカーの解説は、(一社)日本障がい者サッカー連盟会長の北澤豪さんが務めてくださるなど、しっかりと魅力を発信できる方にお願いしています。
また、今大会では初の取り組みとして、J:COMが提供する地域情報アプリ「ど・ろーかる」で生配信はもちろん開催期間中のアーカイブ配信を行います。ぜひ、スマートフォンやタブレットでもご視聴いただきたいです。
——この先のパラスポーツ放送の展望を教えてください。
今回のパリ2024パラリンピックから、特別番組では臨場感あふれる大会の様子を、『パラスポチアーズ』ではアスリート個人と競技の魅力を情報発信する2軸の体制が整いました。
新たなチャレンジではありますが、これまで積み重ねてきた経験を最大限に活かして、視聴者の皆さんに感動をお届けできたらと思います。将来的には「パラリンピックを観るならJ:COM」と思ってもらえるくらいに成長できたら嬉しいです。
——最後に、視聴者の皆さんへメッセ―ジをお願いします。
先日行われた日本代表選手団の結団式で、選手投票で選ばれたスローガンが発表されました。
―「挑め、自分史上最強。」―
初めて見た時、心が震えました。彼らはきっと体現してくれると思いますし、その想いが実現した瞬間を伝える役割を、私たちも一生懸命に果たしたいと思います。視聴者の皆さんにお届けできることが今から楽しみです。
パラスポーツはスポーツとしてとても面白く、新しい楽しみ方があります。
ぜひ、選手の活躍を一緒に応援しましょう!
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