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【データ分析】ビッグデータ活用で挑む、新たな顧客体験の創出

社会全体のデジタル化が進む中で、企業活動や消費者の行動によって生み出される膨大なデータ「ビッグデータ」を活用し、企業のサービス向上や業務効率化、新規ビジネスの創出などに活用する動きが加速しています。
 
J:COMにおいても、お客さまから取得・利用の承諾を頂いたサービス利用データを分析することで、お客さま毎に最適化されたきめ細かなサポートと期待を超える体験の提供を目指しています。

今回は、J:COMのデータ活用・分析の高度化を担うデータソリューション推進部の中野淳也さんに、データ利活用の可能性とデータサイエンティストの仕事の魅力について聞きました。


中野 淳也
2021年入社。データソリューション推進部。ビッグデータを分析し、より良いサービス提供や目標達成、生産性向上へ貢献することがミッション。主にテレビ通販チャンネル「ショップチャンネル」を担当。趣味はマラソンやスパルタンレースに参加すること。




データ分析技術を活かしてチャレンジしたい


——中野さんがJ:COMに入社したきっかけは何だったのでしょうか?

私は大学でデータ分析やゲーム理論を専攻し、計量経済学に関する卒業論文を執筆していました。
就職活動中、J:COMのデータサイエンティストの募集に偶然出会い「これこそが自分のやりたい仕事だ!」と直感的に思いました。実家でJ:COMのケーブルテレビサービスを契約していて、子どもの頃から馴染みがある会社だったことも後押しになりました。
 
他に内定をいただいた会社もあったのですが、学生時代に学んだデータ分析の技術を活かしてチャレンジできる環境に飛び込みたいと入社を決めました。


——現在所属するデータソリューション推進部の業務内容は?

データソリューション推進部は、J:COMのさまざまな事業部が抱える課題に対し、ビッグデータの分析を通して改善策を導き出します。そしてより良いサービス提供や生産性向上へ貢献することをミッションにしています。部署は4チームに分かれており、私は主にショッピング専門チャンネル「ショップチャンネル」を担当するチームに在籍しています。


——具体的にはどのようなお仕事を担当しているのでしょうか?

ショップチャンネルはショッピング専門チャンネルで、ファッション、ビューティー、ホームグッズ、グルメなど幅広いカテゴリの商品を 24 時間365日生放送で紹介しています。私はショップチャンネルの視聴者により良いショッピング体験を提供するため、番組の視聴データを分析し、課題解決に向けた支援を行っています。


——ショップチャンネルからはどのような依頼があるのでしょうか?

最近では「時間帯や商品カテゴリ毎の視聴者の動きを知ることはできるか」との相談を受け、各時間帯、各カテゴリの視聴者数の推移を可視化し番組や商品編成に活用すべく取り組んでいます。
 
ただ、単純に視聴者の数を算出するだけではデータ分析とは言えません。曜日や時間帯、番組によって視聴者の傾向値が異なるためです。そこでさまざまな分析手法を用いてデータのブレを均質化し、正確な結果を導き出すのもデータサイエンティストの腕の見せ所です。


前代未聞!?“売らない”通販番組を分析


——これまでのお仕事で手ごたえを感じたものは?

ショップチャンネル内の「Oh!Cha15(お茶行こう)」という番組の分析に携わったことです。2022年12月にスタートし、毎週月〜金曜日の午後3時から10分間放送している番組です。この番組が従来と大きく異なるのは商品を販売しないこと。通販チャンネルでは前代未聞の“商品を売らない”番組でした。
これまでは、ショップチャンネルから「こういう分析をしてほしい」と依頼を受けて作業するという流れだったのですが、この時はデータ分析チームから自発的に分析を提案し、番組づくりに繋げていきました。より能動的に分析をしたこともあり手ごたえを感じました。


——どのような分析を行ったのでしょうか?

この番組では普段商品を紹介しているキャストが司会進行役となり、視聴者から寄せられるメッセージやお写真を紹介します。質問や意見の応募を通じてお客さまにも番組に参加していただき、より一層ショップチャンネルを楽しんでいただきたいという想いからこの番組が企画されました。
 
私たちデータソリューション推進部では、その目的通りに番組を視聴した方がショップチャンネルを一層楽しんでいただけたか、を定量的に分析するため、視聴者層と非視聴者層の番組前後のご利用状況を観察・分析しました。視聴者層と非視聴者層では番組放送前の段階から利用傾向に差があったため、その点を考慮した上で番組視聴による純粋な効果を抽出することに苦心しました。
結果として、視聴している方のエンゲージメントが高いという結果になり、担当者もこの結果をポジティブに受け止めつつ以後の番組づくりにも活用いただいているようです。


「社内データの民主化」でJ:COMをデータドリブンな組織に


——もう一つ、中野さんが現在参加されている「社内データの民主化運動」についても教えてください。

2021年に発足したプロジェクトで、社内のデータ分析・活用スキルを社内の他部署にも広めてデータを活用した課題解決や施策立案をみんなのものにしよう、という取り組みです。ショップチャンネルの事例のように、収集したデータをもとに意思決定を行う「データドリブン」なアクションを社内全体に広げる活動をしています。


——このプロジェクトはどのような経緯で発足したのでしょうか?

現在のデータソリューション推進部のように分析リソースを一か所に集約すると分析スキルの維持向上は比較的容易なのですが、部門間のやり取りが発生したり、分析ができる人財リソースがなかなか増えていかなかったりするというデメリットがあります。
 
そこで、各事業部にデータ分析スキルをもつ人財を育成し、データ活用の自分事化、分析リソースの拡大を図ることで簡易なデータ分析・活用を事業部内で対応してもらい、私たちの組織ではさらに高度なAI・統計技術等の活用、分析環境やスキル育成等の基盤整備を推進でき、J:COM全体のデータドリブンが実現できると考えています。


——現在どんな活動を進めているのでしょうか?

データを分析しビジュアル化するBIツール「Tableau(タブロー)」の使用方法をレクチャーしたり、分析のポイントを講義形式で教えたりしています。その後はOJTという形で不明点をこちらでサポートしています。実際に広告営業の部署ではメンバーごとの売上実績を可視化・分析したり、モバイル事業部ではモバイルサービスの利用動向分析を行い営業活動に役立てたりするなど、現場での活用もはじまっています。来年はさらに多くの部署に広げていけたらと考えています。


——中野さんがお仕事において心がけていることは?

データ分析はたくさんの工程があり時間もかかるので、一つひとつの手順を丁寧に作業することを意識しています。せっかくデータがあっても手法や手順を誤ると正確な結果が得られないことがあり、ゼロからやり直しになることもあるからです。また、依頼元の事業部に分析結果を説明したり課題をヒアリングしたりする機会も多いので、コミュニケーションも大切にしています。


——正解がわかりにくいお仕事で大変かと思いますが、普段どのようにリフレッシュしていますか?

体を動かすのが好きなので、仲の良い会社の同期とマラソン大会やスパルタンレースに出場しています。トレーニングはキツい時もありますが、仲間と切磋琢磨しあうことでリフレッシュになるし、仕事に対しても強力なモチベーションになっています!

休日はスパルタンレースに参加することも


データ分析は“知識とコミュニケーションの結集”


——中野さんにとってJ:COMで働くことの魅力とは?

J:COMは私が担当する通販事業の他にも、ケーブルプラットフォーム事業やメディア・エンタテインメント事業、金融・ヘルスケアなど多岐にわたる事業を展開しています。さまざまな事業領域のデータを扱える企業は日本ではまだまだ少なく、データ分析を専門にする人にとっては魅力ある環境だと実感しています。


——これからどのようなキャリアを描いていきたいですか?ご自身の目標、挑戦したいことを教えてください。

現在の仕事については、依頼部署の状況に合わせて必要な分析を能動的に提案し、新たな示唆を伝えていく事例を増やしていくのが目標です。そのためにも分析技術を学び、プレゼンスキル磨く自己研鑽を続けていきたいと思います。
また、現在入社3年目でまだ部下はいないので、将来後輩が入ってきた時にメンターとして仕事を教えられるよう、実務経験もどんどん積んでいきたいです。


——最後に、中野さんにとってデータ分析とは?

「知識とコミュニケーションの結集」ではないでしょうか。データ分析には正解がないんですよね。ですが、統計学や分析手法、プログラミング言語などの知識と論理的思考力、技術的な内容をわかりやすく相手に伝えるコミュニケーション力などを掛け合わせて最適解を導き出し、事業やお客さまの未来に貢献できる。そこがデータ分析の難しさであり、面白さだと思います。


♪本日のBGM♪ 
Eye of the tiger - Survivor
このBGMを聞きながら読むといいかも♪という音楽を勝手におすすめしています。