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【潜入レポート】教員の民間企業研修 ~J:COMの場合~

J:COMは、持続可能な地域社会づくりを見据え、未来を担う子どもたちの育成を支援する取り組みの一環として、一般財団法人 経済広報センターが主催する「教員の民間企業研修」に初めて参加しました。
教員が民間企業の考え方や取り組みを学び、教育現場で役立てることを目的としている本研修。J:COMはどんな内容の研修を行ったのか、note編集部で潜入取材しました。


J:COMの社員が先生の「せんせい」に!?


この「民間企業研修」は、一般財団法人 経済広報センターが企画する、企業と小学校や中学校の先生をマッチングして、教員が企業の考え方や人材育成について学ぶ、というプログラムです。
今回、当社も受け入れ企業の一つとして参加し、研修には東京都文京区と中野区の教員35名にご参加いただきました。

研修は2日間にわたり、「人財育成と最新技術の活用」、「サステナビリティ」、「メディアリテラシー」、「スタジオ見学」の4つのテーマで行われ、当社社員が講師となって教員の方々に講義を実施しました

1日目

まずはリーダーシップ・マネジメントの考え方についての講義からスタート。一般企業においても教育現場においても、人の育成という軸では共通しているものが多く、特に「自発的にどう学んでもらうか」というテーマに関してはかなり参考になったとの声をいただきました。

1日目の講義の中で特に盛り上がっていたのが、生成AIの活用について。
当社が社内で利用している自社開発の生成AIを実際に操作していただきながら、行事の出し物の脚本をAIに考えてもらう体験ワークを実施しました。
AIのレスポンスの速さにどよめきが起こる場面も。
プロンプト(入力する指示や質問)によって、ほしい答えが素早く返ってきたり、求めていた答えが出てこなかったり…。よりよいものが出来上がるためにどうしたらいいのかワークを進めていただいたのが印象的でした。

午後の講義ではワークショップを行い、当社が震災伝承のために記録している語り部の方の映像や経験を学校防災にどう活かせるか、学校でのSDGs達成に向けてJ:COMと一緒にどんなことができそうか、などを教員の皆さんとディスカッションしました。子どもたちを近い目線で見ている教員の方々だからこそ出てくるアイデアもたくさんあり、当社社員も興味深く話を伺っていました。

2日目

2日目の午前は情報リテラシー講座として、インターネットのリスクやフェイク情報への対処法をレクチャー。元々、J:COMでは2007年から「ZAQあんしんネット教室」というインターネットを安心して使っていただくための講座を開いていて、今回はその特別版をお届け。

よくあるトラブル例やネットマナー、保護者との関わり方などをクイズやディスカッション形式で一緒に考えました。

午後は、横浜のスタジオに移動して番組づくりの裏側をお伝えした後、スタジオを見学し中継番組づくりを体験いただきました。
アナウンサーやカメラマンなど普段はなかなか体験しない内容で、皆さん楽しんでいただけたようです。最後の番組づくりでは、初体験とは思えないくらい流暢に中継レポートをこなす先生もいらっしゃって、大盛り上がりとなりました!


【担当者インタビュー】J:COMがなぜ学校の先生に研修を?

猪子 緑
2013年入社。広報部。 好きな言葉は”compassion (思いやり)”。
Disney+の『SHOGUN 将軍』にハマってます!


——どのような経緯で、J:COMが先生に向けた研修を実施することになったのでしょうか。

この研修は40年ほどの歴史がある研修なのですが、J:COMとして参加するのは今回がはじめてでした。
昨年、ありがたいことに当社が「企業広報大賞」で地域課題解決に繋がる活動とその広報活動を評価いただきまして、社会への貢献や連携をより重要視するようになっていったことが今回この研修を実施するきっかけの一つになったかと思います。当社の講義内容から教育現場に何かお役に立てていただき、ひいては地域社会に貢献できれば…という想いでお受けすることにしました。
 
GIGAスクールへの協力や小中学生向けのネットリテラシー教室など一部で学校と連携することはありましたが、このような形で連携することは初めてのことで、少しどきどきしていました。


——実際に研修を終えてみて、参加された先生からの反響はいかがでしたか?

研修を通じた気づきや感想を提出いただいたのですが、皆さんびっしりと書いていただいていて驚きました。そしてどれも素敵な感想ばかりで…!
ご自身の業務に生かせそうだというお話もありましたし、子どもたちに早く伝えたい、というコメントもありました。
 
今回カリキュラムづくりでこだわっていたのは、J:COMらしい内容であることと、先生が実際に学校の業務に活かせる内容であることでした。
私の母が教員をしていて、教員のお仕事がいかに膨大でお忙しいか知っていたので、お時間を割いて参加してもらうからにはしっかり実りのある内容にしたかったんです。
ポジティブで熱い感想をたくさんいただき、そのどちらも達成できたのかなと思いほっとしました。

中でも印象的だったのは、1日目で講義をしていた生成AIについて「SST(ソーシャルスキルトレーニング)に活用したい」というもの。私も初めて聞く用語だったんですが、特別支援学級の子ども向けに社会生活を円滑にするための対人関係トレーニングがあるそうで、会話の中で相手の感情を読み取ることが苦手な方の会話練習の壁打ち相手として、また会話の行間を教えてくれる存在として活用できるのではないか、という内容でした。

この例のように現場を知っているからこそのニーズ、というのはとても重要で、私たち自身も新しい発見やヒントをいただけたなと思っています。


ともに地域の次世代を守り育てる存在として


—— 教える立場としての参加でしたが、私たちの方が教わることもあったということですね。

はい、先ほどの例に限らず子どもたちの送迎の課題であったり、スマホの利用スタイルであったり、ワークショップを通じてリアルな状況をたくさん教えていただきました。
 
私たちは、地域と共に生きる企業として、地域社会を守り、さらに次世代を育て、未来世代へ持続可能な社会を繋いでいく活動を続けていますが、広い意味では学校の先生もその使命のベースは同じところにあるなと感じています。
 
子ども達と一番近い距離で接し、現場の実情やニーズに精通している先生方と、地域の声を聞きながら資金や人財、技術、ノウハウを活用できる私たち。異なる強みやリソースを持つ両者が連携できれば、もっといいことができるのでは?と思いますね。


—— 今後のビジョンについて教えてください。

当社のブランドメッセージは「あたらしいを、あたりまえに」ですが、今回の取り組みもそれを体現する一つの事例になったかと思います。
地域に困りごとがあって、それを地域の方々と一緒に解決したり、解決できる地盤づくりをしたり…。そういった地道なことを、続けていくのが重要だと思っています。
研修という形に限らず、よりよい未来に繋がる取り組みを一つ一つ対応していきたいと思います。
 
また、私個人としては「これからもっと成長を続けて、私の仕事を通じてこの会社のファンを増やしたい」という目標があります。
今回教員の方からいただいたコメントの中に「自分の学校の児童にも、J:COMの社員さんのようになってほしい」という感想があって、それがすごく嬉しかったんです。自分の子どもにも尊敬されるよう、仕事の面でも人間としても成長していきたいと考えています。


♪本日のBGM♪ 
Lean on Me - Bill Withers
このBGMを聞きながら読むといいかも♪という音楽を勝手におすすめしています。

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